「子育てと仕事の両立の実現化」と、「質の良い教育とは何か」という二つのテーマを掲げて幼児教育に携わり、25年の月日が過ぎようとしています。時代は21世紀に入り、子供の取り巻く環境は「人間の本質的な在り様」がより強く求められている時代であると感じています。
幼児教育の現場では、子どもたちが、日常を楽しいことがないか自分の五感を研ぎ澄まし、「憧れ」を持って達成したいことにひた向きに向きあう姿を目の当たりにしてきました。
子どもを一人の人間でであるという観点から見ると、「人間力」は「すでに在る」のだと感じています。私の言う「人間力」の概念は、自分が自分らしくいられ、自分にとって最善の選択ができる力、そして自分と他者を大切にできる力を指したいと思います。
子どもから大人へ成長していくと、他者との比較や摩擦など、マイナスの経験もしていきます。すると、次第に「すでに在る」はずの「人間力」は影を潜め、 周囲に流されてしまったり、諦めや妥協をしたり、自分をごまかす「すべ」を身につけてしまいます。社会生活の中では、人と上手く生活をしていくための建て前や社会のルールを身につけていくことは大切ですが、そのことをまるで自分の意志だと思い込み、自分が望んでいないことを選択していることも少なくありません。 この観点から女性のライフステージに着目したところ、自分の思ったように仕事と子育ての両立ができない悩みの原因に、「思い込み」が隠されていることが分かりました。
これから新しい時代を生きていく私たちがより自分らしく生活していく、また、特に女性が仕事をすることが、自分の人生においてもパートナーにとってもプラスになっていくということを実感してもらいたい。そのために、時代に合った新しい子育ての仕方、夫婦のあり方を学んでいただき、自分の選んだ人生に自信を持って進んでいってほしいと思っております。